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月の名の話
ポルトガル語だけ毛色が違う曜日の呼称に対して、月の呼称については他言語と大差がありません。
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dezembro |
さて、あちこちで話題になることなので、ご存知とは思いますが、9月から12月(英語で-berのところ)は数字勘定がモトになっています。ローマ語で言う7,8、9、10です。このことについて、第7月、第8月、、、などと解説されることがありますが、これはちょっと惜しい話です。「第n」ということであれば、序数を用い、septimober,
octavober, nonober, décimoberなどといった名前が残っていることが道理であるはずです。意味的には大差なく、日本語的に収まりもよくありませんが、「7の月」といっておいたほうがよろしいのではないでしょうか。
なんて言って気がついたのですが、9・11って「7の月」ですね。空からハイジャック旅客機がやってきたら、確かにコワイ、、、とか言ってみるテスト。
L'an mil neuf cens nonante neuf sept mois
Du ciel viendra vn grand Roy d'effrayeur
Resusciter le grand Roy d'Angolmois,
Auant apres Mars regner par bon heur.
進んで(2003年)、3月(mars)以降「イラクの自由作戦」。。。
「確証バイアス」ですね、すんません、、、。
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もうひとつ。中学校の英語の教科書(の記述そのものだったか、解説してくれた先生の雑談だったかが定かでないです)で、JulyとAugustはユリウス・カエサルとアウグストゥスが「割り込ませた」「もとは1年10ヵ月だった」という話を見聞きしたことがありますが、これはちょっと怪しい(紛らわしい)です。JulyとAugustの挿入によって、もともと「7の月」だったものが「9の月」に押しやられたのではなく、「5の月」「6の月」の呼称を「ユリウスの月」「アウグストゥスの月」と変更させたというのが実情です。
初期のローマ暦(ロムルス暦)では、1年はMartīusに始まりDecemberで終わる304日。余り(1年を365日にあわせるならば61日)は王室で管理し、王令で新年のMartīus開始が宣言されました。ローマ人が一年を365日と考えるわけでもなく、正確に61日(あるいはその概数すら)を数えたという蓋然性はありません。「春めいてきたからはじめるか」と恣意的に決められていたと解説する資料もあります。しかしながら、個人的には、現在のカーニバルの日決めのように月の運行から勘定したのではないか、ひいてはそれがカーニバルに受け継がれているのではないか、、、この61日間が月齢と太陽暦のつじつまあわせのためのバッファーだったのではないかと見当をつけています(なかなか証拠を集められないのですが)。
初期のローマ暦
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ロムルス暦 |
ヌマ暦 |
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紀元前753年ごろ〜 |
紀元前713年〜 |
1の月 |
3月 |
Martīus
(31日) |
Martīus (31日) |
2の月 |
4月 |
Aprīlis
(30日) |
Aprīlis
(29日) |
3の月 |
5月 |
Māius (31日) |
Māius (31日) |
4の月 |
6月 |
Jūnius (30日) |
Jūnius (29日) |
5の月 |
7月 |
Quīntīlis
(31日) |
Quīntīlis
(31日) |
6の月 |
8月 |
Sextīlis
(30日) |
Sextīlis (29日) |
7の月 |
9月 |
September (30日) |
September (29日) |
8の月 |
10月 |
Octōber (31日) |
Octōber
(31日) |
9の月 |
11月 |
November (30日) |
November (29日) |
10の月 |
12月 |
December (31日) |
December (31日) |
追加1の月 |
1月 |
(61日) |
Jānuārius
(29日) |
追加2の月 |
2月 |
Februārius
(28日、23日) |
閏月 |
Mercedinus (0日、27日、28日) |
ユリウス暦
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ヌマ暦改定 |
ユリウス暦 |
ユリウス暦改定 |
紀元前153年 |
紀元前45年(44年)〜 |
紀元前8年ごろ |
1月 |
Jānuārius
(29日) |
Jānuārius
(31日) |
Jānuārius
(31日) |
2月 |
Februārius
(28日)
(閏日22日、23日挿入) |
Februārius
(29日)
(閏日1日挿入) |
Februārius
(28日)
(閏日1日挿入) |
3月 |
Martīus (31日) |
Martīus (31日) |
Martīus (31日) |
4月 |
Aprīlis
(29日) |
Aprīlis
(30日) |
Aprīlis
(30日) |
5月 |
Māius (31日) |
Māius (31日) |
Māius (31日) |
6月 |
Jūnius (29日) |
Jūnius (30日) |
Jūnius (30日) |
7月 |
Quīntīlis
(31日) |
Julius (31日) |
Julius (31日) |
8月 |
Sextīlis (29日) |
Sextīlis
(30日) |
Augustus (31日) |
9月 |
September (31日) |
September (31日) |
September (30日) |
10月 |
Octōber
(29日) |
Octōber
(30日) |
Octōber
(31日) |
11月 |
November (29日) |
November (31日) |
November (30日) |
12月 |
December (29日) |
December (30日) |
December (31日) |
6月以前の名前の語源
1月 |
Jānuārius |
Janus |
2つの顔を持つ神。ものごとの始めと終わりの扉を管理するとか。 |
2月 |
Februārius |
Februus > Februália |
贖罪の神、、、をあがめる祭、、、がある月 |
3月 |
Martīus |
Mars |
軍神 |
4月 |
Aprīlis |
Apru < Aphrodite |
美の女神* |
5月 |
Māius |
Maia |
豊穣の女神 |
6月 |
Jūnius |
Juno |
大空の女神ユノ(ゼウスの妻ヘラ)婦人科総合担当 |
*4月、Aprīlisの語源については、一時、「aprire(開く)」、花開く季節だから、という説が流行りましたが、最近は下火で、美の女神アフロディーテに由来、との説が有力です。しかし、アフロディーテはギリシャ名。ローマ名はVenusなのに、なぜ?「エトルリア語でApruと記されることがあった」という補足を受けてなお、本気では信じられないところではあります。
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