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ポルトガル語(@ブラジル)のカタカナ表記について
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外国語をカタカナで表記するというのは、どだいムリがあります。それぞれの言語に、それぞれ固有の発声方法(音価・音素の体系)があるので、「強いて言えば○△×というときの○に似てなくもない」ぐらいが限界ではないでしょうか。これから挙げる振り仮名についても、あくまでも「参考」という意識を忘れないでください。と、言い訳をしたところで、当サイトでのポルトガル語(@ブラジル、以後、特に断りのない限りポルトガル語と言います)のカタカナ表記については、以下の基準によるものとします。
○総則 |
- 日本での慣用が進んでいるものについては、できるだけ尊重します。
- 方言による違いがありそうなところは、サンパウロ発のニュースなどのスタイルを基準とします。
- 素直に読むことで、発音の実態に近づけることを目指します。
- ただし、あまりに文字数が多くなるなどの不便は(できるだけ)避けます。
- 説明目的や速読・音便の表現のために、違う表記をすることもあります。
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1.○○・○○(中黒点) |
人名(姓名間)、地名などでの単語間の区切りについては「・」をつけます。ただし、日本での慣用が
進んでいるもの(サンパウロ、リオデジャネイロなど)はそのまま表記します。
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2.綴りと発音−(母音) |
- a e i o u のそれぞれに対応する口母音は、それぞれ[ア・エ・イ・オ・ウ]とします。
- 開口音・閉口音の区別はしません。
- したがって、語尾のoを[ウ]とはしません。
- ただし、語尾のeについては、日本での慣用が進んでいるものを除いてイ段で表記します。
- 二重母音ai uiなどは綴りの通り[アイ・ウイ]とします。
- ただし、az, ez、一部方言のas, esなど、子音による二重母音化は反映せずに[アス・エス]とし、特に説明する目的以外に[アィス・エィス]を用いません。
- 鼻母音 ão は、原則[アォン]とします。
- ただし、日本での慣用が進んでいるもの(サンパウロ、パン、ポンなど)は除きます。
- アクセントのない鼻母音 ão (am綴り)は、[アン]とします。
- ei 鼻母音(en, em綴り)は、[エン]とし、個別に説明する目的以外に[エィン]・[エンィ]などを用いません。
- i oに対応する鼻母音(im, in, om, on綴り)は、それぞれ[イン]・[オン]とします。
- 鼻母音 õe は原則[オィン]とします。
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3.綴りと発音−(子音) |
B バ行 |
Ca Co Cu [カ・コ・ク] |
Ça Ce Ci Ço Çu [サ・セ・スィ(慣用の進んだものはシ)・ソ・ス] |
Da 語頭語中のDe Do Du [ダ行] |
語尾のDe di [ヂ(慣用の進んだものはジ)] |
Fa Fe Fi Fo Fu [ファ・フェ・フィ・フォ・フ] |
Ga Go Gu [ガ・ゴ・グ] |
Ge Gi [ジェ・ジ] |
J ジャ行 |
K カ行 |
語頭・音節頭のL [ラ行] |
語尾・音節末のL [ウ] |
M マ行 |
N ナ行 |
P パ行 |
qui que [キ・ケ] |
qüi qüe [クイ・クエ] |
語頭R、語中RR ハ行 |
語中R(音節末・子音前も) ラ行 |
音節末・子音前R [ル] |
S サ行([スィ]は慣用の進んだものを除き使用) |
T タ行(Tuは[トゥ]) |
語尾のte、ti [チ] |
V ヴァ行 |
W ヴァ行(実態に応じてワ行も) |
X シャ行(実態に応じてジャ行、[クス]など) |
Y ヤ行 |
Z ザ行(慣用の進んだものを除き[ズィ]も使用) |
LH 拗音リャ行 |
NH 拗音ニャ行 |
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4.アクセントと長音・促音 |
- カタカナ表記から想起される抑揚が、アクセント位置の推定に障害となると思われる場合、アクセントがある音節を長音で表記します。(×バイア⇒○バイーア/×レナタ⇒ヘナータ)
- 語尾が(母音+)Rのものについてはアクセントの有無に関わらず「ール」とします。(Júnior
ジュニオール)
- 促音は原則として用いない。(×コッパ⇔○コパ、×ファッカ⇔○ファカ)
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○補足 |
- 鼻母音について。ão
だけを見ても、慣用表記では[アン]・[オン]、語学書では[アンウ]などと表記されることが多いですが、[アン]・[オン]は「スペイン語で通じる」という誤解を助長するおそれがあると考え、また[アンウ]には当該母音が持つ「一体感」「スピード感」が反映されないと見て、[アォン]を使用することとしました。このような音は日本語にはあり得ないですが、敢えて考慮すべき「違い」と見ました。
- 語頭R、語中-RR-などが示すものについては「口蓋滞気音」「口蓋摩擦音」などが対応するものと見て、ハ行を充てることとしました。「ハ行」と同じだと言い張るものではなく、むしろ「ラ行」表記による実態との乖離を考慮したものです。WEB上で、「『ハ行』的音を用いるのはリオとバイーアの方言」という記述を見たことがありますが、サンパウロ、ミナス・ジェライス、パラナを含む広範な地域で「ハ行」は使用されており、むしろ、「内陸部の一部、国境地帯、およびヨーロッパ系や日系の移民コロニアの中に『ラ行・巻舌音など』を用いるところがある」とするほうが実態に即していると考えます。その一方で、語中(音節末・子音前)に登場するRの「無声口蓋音」については「リオなどの方言」として、また実態の連想・推定も難しいと見て、使用を控えることとしました。(○ポルケ⇔×ポフケ、ポホケ、ポッケなど)
- 語尾・音節末のLについて。母音[ウ]と同じだと言い張るものではありません。ただし、英語のように「ゥゥゥゥーラッ」と説明できるレベルでもないと考えます。「meu
mel /mel meu (my honey)私が言ったのはどっち?」とクイズになるぐらいの違いという認識からして、「ウ」表記も妥当であり、むしろ実態の推定に有用と考えます。
- ジとヂについて。現代日本語では「ヂ」は原則使用せず、「ジ」と同じ音と定義されています。しかしながらここでは、無声の「シ」に対応する有声の「ジ」、無声の「チ」に対応する有声の「ヂ」という対立関係を意識・援用するべく、敢えて使用することとしました。
- 語尾のeを「イ段」とすることについて。[i]母音とは違う音価を持つ音であることを認めますが、結果的に「エ段」とするよりも「イ段」とするほうが、実態との乖離が少ないものと考えました。筆者は、Liberdade地区の関係者、すなわち古い世代の日系人・日本人以外に、Liberdadeをリベルダーデと読んで字のごとく発音する人に会ったことがありません。あと、AMラジオのコメンターの中に、いたように思います。
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