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HOME > ポルトガル語 > 動詞 > 再帰代名詞と再帰動詞 再帰代名詞と再帰動詞再帰動詞という概念は我々にはちょとなじみのないものです。突っ込んで考えだすと(池上岑夫教授の『SE考』のように)本一冊費やしても解決しきれない分野ですが、普通のことを表現するために普通に使われますので、しっかり覚えておきましょう。 「例外の生じにくい、できるだけ単純な規則を想定・提示する」というのが本来あるべき文法解説であり、本来的な意味で全てを「再帰」の名前で括ることには無理がある部分もあるのですが、とりあえず、ここでは現象面から紹介しておきます。 再帰代名詞・再帰動詞とは?「タマゴとニワトリどっちが先?」な話で申し訳ないですが、ここでは再帰代名詞をともなう動詞を再帰動詞と言うことにします。再帰代名詞は主に、動詞の行為が主語が表す者自身に影響することを示すもので、ポルトガル語の動詞はどれも再帰代名詞をともなって出現することができ、結果的には、それぞれもとの動詞とは異なる意味を持ちます。 どう異なるかは各動詞によって色々なので、辞書での確認をお願いしたいところですが、傾向として、いくつかのパターンが挙げられます:
一般的な例として、lavar は通常、「(〜を)洗う」という他動詞ですが、(他人の手を借りずに)自分(の身体)を洗うという行為を表現する再帰動詞があります。
再帰代名詞の形(代名詞の比較表)
再帰動詞・再帰代名詞の語順不定詞の場合は、語尾にハイフン+seと表記されます(例 sentar-se)。スペイン語(例 sentarse)のように一体化して綴られることはありません。
上記のように、主語があることなどによって文頭・節頭に立たない場合には、再帰代名詞は動詞の前に、文頭・節頭に立つ場合は再帰代名詞が文頭・節頭に来ることを避け、[動詞本体+ハイフン+再帰代名詞]という形をとります。ただし、ブラジルでは、文頭・節読においても倒置が起きることがあります。 一人称複数でハイフン+再帰代名詞の形をとる場合、動詞の活用語尾からsが除かれます(×Sentamos-nos ⇒ ○Sentamo-nos)。 否定文の場合、動詞の前に "não" が加わるので、主語の表記有無に関わらず、原則、倒置の形になります。また、助動詞を使う場合も動詞の前に置かれるので、同様に、倒置の形になります。
▲TOP特殊な語順直説法未来・過去未来の語尾直説法未来・過去未来で、ハイフンを用いた接続表記を用いる場合、再帰代名詞は、動詞の語幹(不定詞)と活用語尾に挟み込まれる形となります。文語的で、使用頻度はあまり高くありませんが、まるで使わないというわけでもないので、見かけても驚かないでください。通常は、何らかの形で他の語が文頭に立ち、倒置の形が使われます。(使用例:数学クイズ「数学者の話」)
▲TOP間接目的格代名詞との併用間接目的格代名詞と並んで再帰代名詞が使われるときは、[動詞本体+ハイフン+再帰代名詞+ハイフン+間接目的格代名詞]の語順になります。
再帰動詞の意味・用法自分に帰ってくる行為cortar (切る) ⇔ cortar-se (自傷する、誤って自分で切り傷を負う)、perguntar (問う) ⇔ perguntar-se(自問する)のように、「自」「自分で自分を」という意味を持つものです。 他動詞の「自動詞化」再帰動詞の用法で、最も一般的なものです。他動詞によって表される動作・行為の影響が主語にあたる者に帰ってくるということは、即ち「自分で自分に○○させる」ということは、結局「(自分で)○○する」ということになる場合が多くなります。 例 levantar 起こす、持ち上げる ⇔ levantar-se 起きる、身体を起こす
仲間内の行為主語が複数で、他動詞によって表される動作・行為の影響が、主語には含まれるが個別の行為者自身ではない場合、即ち「互いに○○しあう」といった意味を持つ場合(必ずしも訳出を要するわけではない)です。 例 encontrar (誰某に)出会う ⇒ encontrar-se
例 reunir (分かれたものを)再び集める ⇒ reunir-se 会合を持つ
受動態的意味表示と非人称表現意味上は受動態になりそうな話が、再帰動詞を用いて表現されることが頻繁にあります。[ser(またはestar)+過去分詞]という受動態よりもすっきりした文体として、使いやすいという印象です。 A casa é vendida. ⇔ Vende-se a casa. この場合、主語はa casaで、A casa se vende. もありえますが、実際の売家には主語も省略されて、"VENDE-SE" という看板が掲げてあります。 同様に、 「貸し部屋あります」という場合には、"ALUGAM-SE" などという看板が出ます。 Alugam-se quartos. ≒ Quartos são alugados. 「求人募集中」の場合は、"PROCURA-SE" です。例えば、「翻訳者(1名)募集中」であれば、 Procura-se um tradutor. ≒ Um tradutor está procurado. 「複数名募集中」であれば、"PROCURAM-SE" Procuram-se tradutores. ≒ Tradutores estão procurados. ということになります。 ▲TOP主語を明示・特定しないもの同様の構造で、主語を特定できないもの、特定する必要がないものの表現にも、再帰動詞(主に3人称単数)が用いられます。 Tradicionalmente, considera-se ser quase impossível preparar uma feijoada "pequena", ou seja, este é normalmente um prato que fazemos quando estamos em muitas pessoas. (伝統的に、小人数分のフェイジョアーダを用意することは不可能であると考えられています。言い換えれば、これは通常、大人数のときに作る料理であるということです。) http://www.reniza.com/receitas/salgados/feijoada.htm この再帰動詞の部分も、Tradicionalmente, é considerado ser quase impossível preparar uma feijoada "pequena", と言い換えることができますが、若干重く、回りくどい印象を受けます。 Da janela, vê-se o Corcovado ≒ Da janela, o Corcovado é visto (窓からは、コルコバードの丘が見える)"Corcovado" Antônio Carlos Jobim / João Gilberto cf. Da janela, vejo o Corcovado. 私は窓からコルコバードの丘を見る。 一般論主語を明示・特定しない表現のひとつとして、再帰動詞を用いて「一般論(非人称的に一般化した話)」を言うことができます。 Como é que se vai para a estação? 駅へはどう行く(ものな)のですか? How do I get to the station? に相当する意味内容のことですが、これを Como vou para a estação?のように言うことはありません。 「そういう意味なので」「一般論」の用法に挙げたvai-se (< ir-se)というのは、ここでの説明の流れでは捉えきれない存在です。まず、ir 自体が「行く」という自動詞ですから、「行為が自分に帰る」とか「他動詞の自動詞化」という説明があてはまりません。受動態的意味を持つという機能面での説明にも苦しいものがあります(Como é que é ido para a estação?といった構文は、絶対ダメとは言い切れませんが、想定しにくいものです)。ここに、再帰動詞を他動詞・自動詞の派生形とする考えの限界があるわけです。ここでは「一般論で」という意味をなすために使われていますが、ir-seは他にも「去る」「死ぬ」などの意味を表すこともあります。こういうものは、覚えるしかありません。 他に、atrever-se (a〜) 「頑張って立ち向かう」、queixar-se (de〜) 「愚痴・不平を言う」、suicidar-se「自殺する」など、再帰動詞の形でしか使われないものもあります。 詳しい考察は、冒頭に触れた池上岑夫教授の『SE考』に譲ります(私も読み込んでから別項でご紹介します)。 |
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最近の更新: <PVI 更新> ポルトガル語動詞活用確認ワークシート(エクセル版)をアップデート(活用の登録漏れ修正)しました。 2006/11/15 < ラジオ局 > ポルトガル語のサンプルということで、ネット放送のリンクを集めはじめました。 2005/6/8 < Cafezinho > ブラジル人、なにかというと、「コーヒー飲みに」出かけます、そのココロを考察したコラムを対訳つきで(ポルトガル語・トピック) < 発音・綴り字読みの集中攻略 > ポルトガル語の発音・綴り字読み関係のまとめコーナーを集中工事中(ポルトガル語・発音)
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